事業の開始、会社の設立(開業)にあたり支出した費用の経理処理については、一般的には開業日の日付で開業費として仕訳を入力します。その開業費は、任意に償却できます。「開業費」を償却する際に「繰延資産償却」の勘定科目を使用する場合は、先に作成が必要となります。
※ご案内の勘定科目や仕訳につきましては、あくまでも一般例となります。必ず管轄の税務署や税務相談窓口、税理士様に以下のような内容で良いかどうかをご確認ください。
下記のような例の場合、操作手順は以下の通りです。
例:新規就農(開業)にあたり、開業前に支出した費用を勘定科目「開業費」で資産計上し、決算時に償却費として経費計上する際に勘定科目「繰延資産償却」を使用する場合
<操作手順>
A.勘定科目「開業費」を作成する方法
個人データの場合
下記手順で作成を行います。
※税務署等から「繰延資産」の勘定科目で処理するように言われた場合は、[コード291:繰延資産]があります。そちらをご使用ください。
1.「初期」→「詳細」→「青色申告科目設定」を開きます。
2.青色申告決算書に印刷するための科目を作成します。
(ア)「開業費」科目は「資産」に該当しますので、【農業用】【不動産用】の青色申告決算書を作成される場合はコード「219~223」の間で未使用のコードを使用して作成します。
※【一般用】の青色申告決算書を作成される場合は、コード「217~223」間で作成します。
科目名称が空欄の行、または名称を変更したい行をダブルクリックします。
(イ)〔科目名称〕〔イニシャルキー〕欄にそれぞれ「開業費」「KAIGY」を入力し、[設定]ボタンをクリックします。
(ウ)「開業費」の申告科目が追加されたことをご確認ください。
3.「青色申告科目設定」を終了し、「初期」→「基本」→「勘定科目設定」を開きます。
4.画面左上の〔分類〕が「資産」になっていることを確認します。
5.画面左上の〔補助同時表示〕〔期首残高入力〕のチェックを外します。
「開業費」科目を追加したい行の1つ下の行をクリックし、画面右上の[挿入]ボタンをクリックします。
6.新規に行が挿入されましたら、任意のコードを入力し、正式名称・簡略名称・イニシャルキー・税区分・消費税率の登録をします。
7.〔農業用申告科目〕欄は「指定なし」となっていますので、▼ボタンをクリックし、2.で作成した青色申告科目の「開業費」を選択します。
法人データの場合
勘定科目に[コード290:創立費・開業費]があります。そちらをご使用ください。
B.勘定科目「繰延資産償却」を作成する方法
個人データの場合
作成手順は A.勘定科目「開業費」を作成する方法 と同様になりますが、以下の点が異なりますので、ご確認の上操作をお願いします。
手順2.「青色申告科目設定」では、「繰延資産償却」科目は「経費」に該当しますので、【農業用】の青色申告決算書を作成される場合はコード「126~129」、【不動産用】の場合はコード「112~116」、【一般用】の場合はコード「125~130」の間で未使用のコードを使用して作成します。
手順4.「勘定科目設定」では、画面左上の〔分類〕を「経費」にして、作成を行います。
法人データの場合
法人データの場合は、下記手順で作成を行います。
1.「初期」→「基本」→「勘定科目設定」を開きます。
2.画面左上の〔分類〕の▼をクリックし、「経費」を選択します。
3.画面左上の「補助同時表示」「期首残高入力」のチェックを外し、「繰延資産償却」を追加する行の1つ下の行(例では「雑費」)をクリックし、太枠で囲みます。
その後、右上の[挿入]ボタンをクリックします。
4.新規に行が挿入されましたら、任意のコードを入力し、正式名称・簡略名称・イニシャルキー・税区分・消費税率の登録をします。部門の設定は必要に応じて行います。
決算書科目は、そのままキーボードの[Enter]キーで、次の行に進むことで、正式名称と同名で自動作成されます。
C.仕訳の入力について
「日常」→「帳簿」→「簡易振替伝票入力」を開き、以下のように仕訳を入力します。
※下記のご案内は一般例となります。勘定科目や仕訳に関しましては、必ず管轄の税務署または税理士様に必ず以下のような内容で良いかどうかをご確認ください。
■開業以前に支出した費用を計上する場合
※個人事業主が立て替えた場合は以下のような仕訳になります。
■開業費(繰延資産)を償却する場合