10月1日から最低賃金が変わることにより、給与計算期間内で時給単価が2つになる場合は、以下の2通りの方法にて給与計算を行います。
※最低賃金について制度等詳しくは、厚生労働省ホームページをご覧下さい。
Ⅰ.それぞれの単価での基本給を計算し、支給項目の『基本給』に手入力する方法
Ⅱ.支給項目『基本給』の他に、別の項目を作成して計算する方法
例として、以下の設定で計算する場合でご案内いたします。
・給与の締日:毎月15日
・ 9月16日~ 9月30日 時給単価:@ 970 出勤時間:50時間
・10月01日~10月15日 時給単価:@1,020 出勤時間:54時間
Ⅰ.それぞれの単価での基本給を計算し、支給項目の『基本給』に手入力する方法
<事前準備>
9月16日~9月30日と10月1日~10月15日のそれぞれの期間に勤務された時間より、それぞれの『基本給』の金額を予め対象社員について計算します。
・ 9月16日~ 9月30日 時給単価:@ 970 出勤時間: 50時間 → 基本給金額: 48,500円
・10月01日~10月15日 時給単価:@1,020 出勤時間: 54時間 → 基本給金額: 55,080円
出勤時間合計:104時間 基本給合計金額:103,580円
<操作手順>
1.「給与」→「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」を開きます。
2.画面右上の[F11]ボタンの表示が「手入力へ」となっている場合
この状態では、「社員情報設定」や「給与規定」で設定されている内容に基づいて、社会保険料・所得税や普通残業などシステム項目が連動して自動計算されます。
通常は時給社員の『基本給』を自動計算しますが、今回は手入力をするためF11[手入力へ]と表示されているボタンをクリックします。
3.ボタンの表示が[自動計算へ]に切り替わります。
こちらの状態で、<事前準備>で計算した9月30日までの旧基本給と10月1日からの新基本給を合算した金額を、『基本給』欄に手入力します(例では、103,580円)。
また、下の図では、勤怠項目の『出勤時間』に給与計算期間内の合計の出勤時間を入力しています。
※もし、[自動計算へ]ボタンの下に【雇用:手入 所得:手入】と表示されている場合、画面全体が手入力状態になり、雇用保険と所得税も手入力になっております。
「雇用:手入 所得:手入」表示のまま、『基本給』等の支給項目に手入力しても、画面全体が手入力状態となるため、手入力前の金額で求めた『所得税』と『雇用保険』の金額がそのまま表示されます。
[自動計算へ]となっている状態で、『雇用保険』と『所得税』を自動計算する場合は、以下の操作を行います。
(ア)「控除項目」の欄で、右クリックします。
(イ)下図のように項目が表示されますので、[雇用計算へ]と[所得計算へ]をそれぞれクリックします。
(ウ)画面右上の表示が【雇用:計算 所得:計算】に変わります。
手入力した『基本給』の金額を含めて、雇用保険と所得税が自動計算できます。
Ⅱ.支給項目『基本給』の他に、別の項目を作成して計算する方法
システム項目の『基本給』の他に、時給単価が異なる分を計算するための勤怠・支給・単価項目をそれぞれ作成して、給与計算を行います。
例として、それぞれの期間で以下の項目を使用して、給与計算を行います。
・ 9月16日~ 9月30日 勤怠項目:出勤時間 支給項目:基本給
・10月01日~10月15日 勤怠項目:出勤時間2 支給項目:基本給2
A.勤怠項目『出勤時間2』を作成します
1.「設定」→「項目設定」を開きます。
2.「勤怠」タブを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
3.「項目設定追加」画面が表示されます。
(ア)項目No.:初期値のままで結構です。
(イ)項目名:任意の名称で全角6文字まで入力できます(例では『出勤時間2』とします)。
(ウ)項目種別:「時間」を選択します。
(エ)『グループへ登録する』にチェックマークが付いたままにします。
(オ)画面右上の[設定]ボタンをクリックします。
4.「グループへ登録」画面が表示されます。
この項目を使用しないグループのチェックマークは外し、[設定]ボタンで画面を閉じます。
B.支給項目『基本給2』を作成します
1.「項目設定」で「支給」タブを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
2.「項目設定追加」画面が表示されます。
(ア)項目No.:初期値のままで結構です。
(イ)項目名:任意の名称で全角6文字まで入力できます(例では『基本給2』とします)。
(ウ)項目種別:「計算式」を選択します。
(エ)固定変更区分:該当する方を選択します。
(オ)『グループへ登録する』にチェックマークが付いたままにします。
(カ)画面右上の[設定]ボタンをクリックします。
※項目属性は、該当する項目にチェックマークを付けます。
3.「グループへ登録」画面が表示されます。
この項目を使用しないグループのチェックマークは外し、[設定]ボタンで画面を閉じます。
C.単価項目 『基本給単価2』を作成します
1.「項目設定」で「単価」タブを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
2.「項目設定追加」画面が表示されます。
(ア)項目No.:初期値のままで結構です。
(イ)項目名:任意の名称で全角6文字まで入力できます(例では『基本給単価2』とします)。
(ウ)『グループへ登録する』にチェックマークが付いたままにします。
(エ)画面右上の[設定]ボタンをクリックします。
3.「グループへ登録」画面が表示されます。
この項目を使用しないグループのチェックマークは外し、[設定]ボタンで画面を閉じます。
以上で、必要な項目の作成が完了です。「項目設定」を終了します。
D.計算式を組み込みします
1.「設定」→「グループ別項目設定」を開きます。
2.表示された画面左側より、今回作成した項目を使用するグループを選択しましたら、「支給」タブを選択します。
3.前述のBで作成した項目(例では『基本給2』)の行をダブルクリックします。
4.「計算式項目修正」画面が表示されます。こちらで計算式を設定します。
(ア)画面左上にある[勤怠]ボタンをクリックします。
(イ)前述のAで作成した項目(例では『出勤時間2』)を選択して、[設定]ボタンをクリックします。
(ウ)[演算子]ボタンをクリックし、『×』(かける)を選択します。
(エ)[単価]ボタンをクリックします。
(オ)前述のCで作成した項目(例では『基本給単価2』)を選択して、[設定]ボタンをクリックします。
5.下記のように式の設定が完了しましたら、[設定]ボタンをクリックします。
『出勤時間2』 × 『基本給単価2』
※複数の支給グループでこちらの項目を使用する場合は、支給グループごとに設定を行います。
以上で、計算式の作成が完了です。「グループ別項目設定」を終了します。
E.単価金額を登録して、計算内容を確認します
1.「設定」→「社員情報設定(個別入力)」を開きます。
2.対象となる社員をダブルクリックします。
3.「手当/控除」タブをクリックし、単価項目『基本給単価2』に10月1日からの単価金額を入力して、画面下部の[設定]ボタンをクリックします。
※該当社員が複数の場合は、社員ごとにこちらの設定を行います。
4.対象社員全員の設定が終わりましたら、「社員情報設定(個別入力)」を終了します。
5.「給与」→「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」画面で、次のように入力します。
(ア)『出勤時間』に9月16日から9月30日までの出勤時間数(例では、50時間)を入力します。
(イ)『出勤時間2』に10月1日から10月15日までの時間数出勤時間数(例では、54時間)を入力します。
6.「社員情報設定」で登録された単価金額から、支給項目の『基本給』と『基本給2』にそれぞれ計算されますのでご確認ください。
※明細書の用紙として、弊社の専用用紙をお使いの場合は、「設定」→「明細書レイアウト」にて印刷する項目の追加を行います。
なお、「明細書レイアウト」では、項目の印刷位置を選択できますが、「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」では項目種別ごとに表示されるため『基本給』の下に『基本給2』を表示することはいたしかねます。ご了承ください。
※『出勤時間』や『出勤時間2』に時間を入力しても、『基本給』や『基本給2』に金額が自動計算されない場合は、画面右上の[F11]ボタンが[手入力へ]と表示されているかご確認下さい。
こちらが[自動計算へ]と表示されている場合は、画面全体が手入力モードとなっており、時間数を入力しても自動計算されません。
この場合は、[F11]ボタンが[手入力へ]と表示されている状態で、計算を行ってください。
※10月16日から11月15日の勤怠で計算される給与処理月に更新されましたら、「設定」→「社員情報設定(個別入力)」の「手当/控除」タブにて、『基本給』の単価金額を10月1日以降の金額に修正を行ってください。