賞与から控除する社会保険料は、給与の計算方法とは異なり、賞与総額の1,000円未満を切り捨てた金額(これを「標準賞与額」といいます)に、各保険料の負担率を乗じて計算されます。
また、社会保険料は標準賞与額に負担率を乗じる際に、各保険によって対象の上限額が設けられています。
なお、2016年4月1日より健康保険料・介護保険料の対象となる上限額が年間累計額540万円から573万円に引き上げられました。
※健康保険・介護保険・厚生年金それぞれの対象上限額を超えた分については、保険料はかかりません。
給料王では以下の内容で自動計算されます。
<操作手順>
賞与支給の際、賞与額以外に手当の支給がある場合は、その手当を標準賞与額として設定することができます。
1.「設定」→「項目設定」を開きます。
2.画面左上の「項目」欄の▼をクリックし、「賞与」に切り替え、「支給」タブをクリックします。
3.標準賞与額として設定したい項目名をクリックし、黒枠で囲まれましたら、画面左上の[修正]ボタンをクリックします。
4.社会保険料の対象となる標準賞与額として設定する場合は、「項目属性」欄の「標準賞与額<社会保険>」にチェックマークを入れて、右上の[設定]ボタンをクリックします。
5.「設定」→「給与規定」→「社会保険」タブを開き、設定されている各保険料の負担率を確認します。
(例)下記の保険料率が設定されている場合
健康保険料率:49.900/1000
介護保険料率:8.000/1000
厚生年金料率:91.500/1000
基本保険料率:32.800/1000
特定保険料率:17.100/1000
6.「賞与」→「賞与データ入力(台帳形式)」を開きます。
(ア)各保険料の標準賞与額の上限を超えない場合
例:賞与額 1,350,700円を支給
a.支給項目の「賞与」に1,350,700円と入力します。
b.標準賞与額は1,000円未満を切り捨てになりますので、1,350,000円になります。
1,350,000円に対して、保険料率を乗じて計算します。
健康保険料:1,350,000×49.900÷1,000= 67,365
基本保険料:1,350,000×32.800÷1,000= 44,280
特定保険料:1,350,000×17.100÷1,000= 23,085
介護保険料:1,350,000× 8.000÷1,000= 10,800
厚生年金保険料:1,350,000×91.500÷1,000=123,525
(イ)各保険料の標準賞与額の上限を超えた場合
例:前回(4月1日以降)賞与額3,000,000円支給済み
今回賞与額3,000,000円を支給
a.「賞与」→「賞与データ入力(台帳・一覧形式)」の支給項目の「賞与」に
3,000,000円と入力し、画面を終了します。
b.「社保・労保」→「賞与支払届」をクリックします。
c.「賞与支払届集計条件指定」画面で、過去の賞与年回を選択します。
支給日が4月1日から翌年3月31日までに支給されているものであることを確認し、[開始]ボタンをクリックします。
d.「賞与支払届」画面右側にある「健保標準賞与額」を確認します。
健康保険料・介護保険料の対象となる標準賞与額の上限額は、年間で573万円です。
今回の標準賞与額は、上限額5,730,000円から「健保標準賞与額」の金額を差し引くと、
上限額の残りの金額が確認できます。
5,730,000-3,000,000=2,730,000
e.今回の例の場合、今回支給賞与3,000,000円の内、上限額までの残額2,730,000円が、今回支給賞与の標準賞与額となります。
健康保険料・介護保険料の計算では、標準賞与額2,730,000円にそれぞれの負担率を乗じます。
※今回支給賞与3,000,000円から2,730,000円を引いた270,000円に対しては健康保険料・介護保険料は計算されませんのでご注意ください。
健康保険料:2,730,000×49.900÷1,000=136,227
基本保険料:2,730,000×32.800÷1,000=89,544
特定保険料:2,730,000×17.100÷1,000=46,683
介護保険料:2,730,000×8.000÷1,000=21,840
c.厚生年金については1ヶ月の賞与につき、対象となる標準賞与額の上限額が150万円なので、保険料の計算は上限額150万円に負担率を乗じます。
厚生年金保険料:1,500,000×91.500÷1,000=137,250
※1円未満の端数処理の方法については、「設定」→「給与規定」→「端数処理」タブで
設定できます。