2023年4月からの改正労働基準法では、中小企業労働者が月60時間を超える時間外労働をした場合の割増賃金率が引き上げられました。大企業と同じ基準になり、60時間超の時間外労働に対する割増賃金率は50%になりました。
目次 (見出しをクリックすると該当箇所に移動します)
<事前準備>
<操作手順> Ⅰ.時間外労働の割増賃金率の引き上げに対応する設定を行います。
Ⅲ.時間外労働の種類ごとに累計時間を集計し、「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」にて、残業時間の入力を行います。
<過去の残業時間の内訳を確認するには> |
例:今までは、普通残業の時間数に関わらず、普通残業をした場合の割増率が125%で、この割増率を下記の3段階に変更する。
・1カ月の限度時間45時間まで:125%
・45時間を超え、60時間まで:130%
・60時間を超えた時間外労働 :150%
※「45時間まで」と「45時間を超え、60時間まで」を同じ割増率にする場合は、2段階の割増率を設定します。
<事前準備>
給料王の画面左上「給与処理月」を対応月に更新後、処理を行います。
例:4月給与から対応する場合は、[次月] ボタンで4月に更新します。
<操作手順>
Ⅰ.時間外労働の割増賃金率の引き上げに対応する設定を行います。
1.「設定」→「給与規定」を開きます。
2.「基本」タブを選択し、画面左下【改正労働基準法】について、「時間外労働の割増賃金率の引き上げに対応する」にチェックマークを入れ、[設定]ボタンで画面を閉じます。
Ⅱ.「残業計算」方法を選択します。
(社員ごとに「率計算」・「金額計算」の設定が可能です。該当のタイトルをクリックすると
説明が表示されます)
A.『率計算』で残業計算を行う場合の設定方法。
1.「設定」→「社員情報設定(個別入力)」を開き、該当社員をダブルクリックします。
2.「社員情報設定修正」画面が開きますので、「手当/控除」タブをクリックします。
3.「残業計算」欄で、「率計算」を選択し、[設定]ボタンで画面を閉じます。
4.「設定」→「項目設定」を開きます。
5.「支給(2)」タブ →『普通残業』の行をクリックし、画面上の[修正]ボタンをクリックします。
6.「項目設定修正」画面が表示されます。割増率の数字は、3段階とも元の125%になっておりますので、こちらを新しい割増率に変更し、[設定]ボタンで画面を閉じます。
※【45時間超~60時間迄】を同じ率で計算する場合は、以下のように入力します。
7.同様に『深夜残業』『休出残業』『休出深夜』(『法内残業』については、お使いの場合のみ)についても、3段階の割増率に変更して設定します。
8.3段階の割増率の数値の設定が終わりましたら、「項目設定」画面を終了します。
B.『金額計算』で残業計算を行う場合の設定方法。
1.「設定」→「社員情報設定(個別入力)」を開き、該当社員をダブルクリックします。
2.「社員情報設定修正」画面が開きますので、「手当/控除」タブをクリックします。
3.「残業計算」欄で、「金額計算」を選択し、▼ボタンより、割増区分ごとに単価金額を入力して、[設定]ボタンで画面を閉じます。
※「金額計算」を選択した際に単価が表示された場合は、以前に「時間外労働の割増賃金率の引き上げに対応する」にチェックマークを入れて設定された時の単価ですので、単価の見直しを行ってください。
※「金額計算」を選択されていた場合、「時間外労働の割増賃金率の引き上げに対応する」にチェックマークを入れて設定することにより、設定していた単価はリセットされますので、再度設定を行ってください。
※【45時間迄】【45時間超~60時間迄】【60時間超】の単価金額をそれぞれ入力します。
※2段階の場合は、以下のように入力します。
※[設定]をクリックした際、以下のメッセージが表示された場合は、単価金額を確認してください。
【45時間超~60時間迄】は、【45時間迄】の単価金額の同額以上の単価金額を設定し、【60時間超】は、【45時間超~60時間迄】の単価金額の同額以上の単価金額を設定します。
Ⅲ.時間外労働の種類ごとに累計時間を集計し、「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」にて、残業時間の入力を行います。
1.3段階の割増率計算を行うために、時間外労働の総時間数と『普通残業』『深夜残業』『休出残業』『休出深夜』(『法内残業』については、お使いの場合のみ)の種類ごとの累計時間を集計します。
2.3段階で割増率を設定した場合は、1番で集計した時間数を元に「給与」→「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」にて、残業時間の入力を以下のように行います。
※「設定」→「給与規定」→「時間外労働の割増賃金率の引き上げに対応する」にチェックマークを入れた場合は、「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」画面の「勤怠項目」欄の「普通残業時間」等からではなく、画面上部の[残業/代替]ボタンより、入力を行います。
(ア)「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」画面上部にある[残業/代替]ボタンをクリックします。
(イ)「残業/代替休暇入力」画面が開きます。『普通残業』『深夜残業』『休出残業』『休出深夜』(『法内残業』について、お使いの場合のみ)の種類ごとに、1番で集計した【45時間迄】【45時間~60時間迄】【60時間超】の時間帯での時間外労働時間数を入力します。
※2段階の場合は、【45時間~60時間迄】を【45時間迄】に入力することも可能です。
入力が終わりましたら、こちらの画面は[設定]ボタンで終了します。
※この画面では、対象社員全員の時間外労働時間数が入力できます。
※【残業代を手入力する】にチェックマークを入れると、金額も直接手入力できるようになります。
(ウ)「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」画面に戻ります。
「残業/代替休暇入力」で入力した時間外の合計時間と、合計金額が反映されます。
<過去の残業時間の内訳を確認するには>
A.「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」より、給与データを出力してExcelで確認する方法。
1.「給与」→「給与データ入力(台帳形式/一覧形式)」を開きます。
2.画面右上部 [テキスト] ボタンをクリックします。
3.「テキスト出力」画面で、以下の設定を行います。
(ア)出力項目:「任意項目」を選択し、[出力項目選択] ボタンをクリックします。
(イ)「出力項目選択」画面で、出力したい項目を「対象外項目」の中から選択し、[追加] ボタンをクリックします。
(ウ)出力したい項目が「対象項目」に表示されましたら、[設定] ボタンをクリックします。
(エ)出力形式:可変長、 区切り文字:TAB、項目の引用符:”(D)
(オ)出力先:クリップボード
4.[実行] ボタンをクリックします。
5.テキスト出力の処理が行われ画面が閉じます。
6.給料王を終了し、Excelを起動します。
7.A-1のセルが選択された状態で右クリックし、「貼り付け」を左クリックします。
8.出力した項目がExcelに表示されますので、加工してお使いください。
B.「ツール」→「給与台帳入力(過去分)」から確認する方法。
1.「ツール」→「給与台帳入力(過去分)」を開きます。
2.処理年を指定し、[設定]ボタンをクリックします。
3.下記の画面が表示されましたら、該当社員をクリックし、確認したい月をクリックして、[残業入力]ボタンをクリックします。(下図では4月を指定しています。)
4.「残業入力」画面より、『普通残業』『深夜残業』『休出残業』『休出深夜』『法内残業』をご確認ください。印刷はできかねますのでご了承ください。