インボイス制度では、「税率ごとに合計した対価の額に税率を乗じて消費税額を算出」という端数処理の決まりが定められたため、端数処理は1回だけとなります。
その決まりに伴い、販売王では、
伝票単位で発行する納品書や請求書をインボイスとする場合は、「伝票ごと」、
締め日ごとに発行する明細請求書をインボイスとする場合は「締め時一括」に
税計算タイミングを変更する必要があります。
随時請求の場合、締め処理の情報を持たないため、税計算タイミングを「締め時一括」に
設定することが出来かねます。
そのため、随時請求得意先の明細請求書を適格請求書として発行されたい場合は、
下記の方法で締めグループを変更して、税計算タイミングを「締め時一括」に設定していただきます。
また、締日請求得意先への変更に伴い、随時請求得意先の頃に登録した伝票を正しく売掛に反映させるために伝票の再認識の作業が必要になります。
※登録されているすべての随時請求得意先を一括で変更する方法となります。
※既に得意先や売上伝票の付箋を利用されている場合は、手順によって付箋を外しますのでご注意ください。
<事前準備>
手順を誤ってしまうと元の状態に戻すことが出来ないため、
必ずデータのバックアップをお取りください。詳しい手順はこちら。
A.新しい「得意先締めグループ」を作成します
<操作手順>
1.ダイレクトメニューの「導入」-「得意先締めグループ登録」を開きます。
2.画面上部の[新規]をクリックします。
3.登録画面が表示されますので、「得意先締めコード」と「得意先締めグループ名」を入力して、[設定]をクリックします。
◇得意先締めコード:『32』を指定します。
※すでに『32』を使って別の得意先締めグループを作成されている場合は、
『33』以降の使用されていない番号を指定してください。
◇得意先締めグループ名:任意の名前を入力します。
※ここでは『新規随時請求』と入力します。
4.締めグループが登録されましたら、画面右上の[終了]をクリックします。
B.随時請求得意先に付箋を付与します
<操作手順>
1.ダイレクトメニューの「台帳」-「得意先登録」画面を開き、画面上部の[検索]ボタンをクリックします。
「得意先検索条件指定」画面が表示されますが、何も指定せずに[開始]ボタンをクリックします。
2.全ての得意先が表示されましたら、画面上部の[付箋]ボタンをクリックし、『付箋1を設定する』『付箋2を設定する』にチェックを入れ、「付箋なし(色なし)」の状態で[設定]ボタンをクリックします。
※既に付箋が使われている得意先がある場合に、この処理で付箋を外します。
3.下記メッセージが表示されますので[OK]をクリックします。
4.画面上部の[検索]ボタンをクリックします。
5.締めグループを指定するため、[詳細条件]ボタンをクリックします。
6.「得意先検索詳細条件指定」画面が表示されますので、「請求締めグループ」の▼ボタンより「随時請求」を選択し、[設定]ボタンをクリックします。
7.「得意先検索条件指定」画面の、[詳細条件]が太文字になっていることを確認し、[開始]をクリックします。
※詳細条件が正しく設定できていないと太文字になりません。
8.画面上部の[付箋]ボタンをクリックし、『付箋1を設定する』にチェックを入れ、「付箋」を1回クリックして赤い付箋の状態にして、[設定]ボタンをクリックします。
9.以下のメッセージが表示されますので[OK]をクリックします。
以上で随時請求得意先に赤い付箋が付きます。
画面右上の[終了]ボタンより「得意先一覧」および「得意先登録」画面を閉じます。
C.随時請求得意先の売上伝票に付箋を付与します
<操作手順>
1.ダイレクトメニューの「販売業務」-「売上入力」画面を開き、画面上部の[検索]ボタンをクリックします。
2.集計条件を指定せずに[検索]ボタンをクリックし(ア)、全ての伝票を表示します。
伝票が表示されたら、[付箋]ボタンをクリックし(イ)、「付箋操作」画面で『付箋1を設定する』『付箋2を設定する』にチェックを入れ、下図のように「付箋なし(色なし)」の状態にして[設定]ボタンをクリックします。
※売上伝票の付箋を利用しますので、既に付箋が使われている伝票がある場合に、この処理で付箋を外します。
3.次に、随時請求得意先の伝票を検索し付箋をつけます。
「伝票検索」画面の「得意先」欄の[詳細]ボタンをクリックし、「伝票検索詳細 得意先」画面を表示します。
4.「付箋1」に『赤』と指定し、[設定]ボタンをクリックします。
5.「伝票検索」画面に戻り、[検索]ボタンで検索を行います。
伝票の一覧が表示されたら[付箋]ボタンをクリックし、付箋1に赤い付箋を設定します。
6.伝票に付箋が付きましたら[キャンセル]ボタンで「伝票検索」画面を終了し、
画面右上の[終了]ボタンより「売上入力」画面も終了します。
D.「得意先締めグループ」の変更をします
<操作手順>
1.ダイレクトメニューの「ツール」-「テキストデータ出力」を開きます。
2.「出力形式名称」に『得意先台帳(販売王11~形式)』を指定します。
3.「抽出条件」内にて「付箋1」を『赤』と設定します。
4.画面下部「出力ファイル名」右の[参照]をクリックします。
※「テキストデータを「ソリマチ安心データバンク」にも保存する」のチェックは外しておきます。
5.「ファイルを開く」画面が表示されますので、以下のように設定して[開く]をクリックします。
(ア)「ファイルの場所」・・・デスクトップ
(イ)「ファイル名」・・・・・得意先
(ウ)ファイルの種類・・・・・初期値のまま(CSVファイル(*.CSV) )
6.「テキストデータ出力」画面に戻りますので、画面下部の[開始]をクリックします。
7.出力が完了した旨のメッセージが表示されますので、[OK]をクリックします。
※出力完了後は、「テキストデータ出力」は「キャンセル」をクリックして閉じてください。
8.ダイレクトメニューの「ツール」-「テキストデータ入力」を開きます。
9.「入力形式名称」に『得意先台帳(販売王11~形式)』を指定します。
10.画面左下の「入力形式編集」をクリックします。
11.画面左下の「入力形式」-「Csv出力形式」にて、43番目「得意先台帳.得意先締めグループ」を表示し、「初期値」に『32』(※)と入力します。
※手順A-3にて設定した新しい得意先締めグループの番号を入力してください。
12.画面下部の[別名保存]をクリックします。
13.「別名保存」画面が表示されますので、「レイアウト名称」にどのような形式か分かる任意の名前を入力して、[保存]をクリックします。
※ここでは『得意先台帳(締めグループ変更)』という名前で保存をします。
※初期値の名称のまま保存はできません。
14.「テキストデータ入力」画面に戻りますので、「入力形式名称」が保存した形式になっていることを確認して、「入力元」で「パソコン内のファイル」を選択し、「ファイル名」右の[参照]をクリックします。
15.「ファイルを開く」画面が表示されますので、手順5で指定したデスクトップの『得意先.CSV』ファイルをクリックして、[開く]をクリックします。
16.「テキストデータ入力」画面に戻りますので、画面下部の[開始]をクリックします。
17.取り込み前のプレビュー画面が表示されますので、そのまま[開始]をクリックします。
※過去にテキストデータ入力を行ったことがある場合は、以下のメッセージが表示されることがありますので、[はい]をクリックします。
18.入力が完了した旨のメッセージが表示されますので、[OK]をクリックします。
19.「テキストデータ入力」画面を[キャンセル]で閉じます。
以上で随時請求得意先の得意先締めグループが変更されます。
E.売上伝票の再認識を行います
得意先締めグループが随時請求だった頃に入力した売上伝票を再認識させます。
これにより、変更後の得意先締めグループにて「請求締切」などから売上伝票が集計できるようになります。
<操作手順>
1.ダイレクトメニューの「ツール」-「テキストデータ出力」をクリックします。
2.表示された画面の「出力形式名称(L)」の▼をクリックして、「売上伝票(消費税特例対応形式)」を選択します。
3.「抽出条件」内にて「付箋1」を『赤』と設定します。
4.画面下部「出力ファイル名」右の[参照]をクリックします。
※「テキストデータを「ソリマチ安心データバンク」にも保存する」のチェックは外しておきます。
5.「ファイルを開く」画面が表示されますので、以下のように設定して[開く]をクリックします。
(ア)「ファイルの場所」・・・デスクトップ
(イ)「ファイル名」・・・・・売上伝票
(ウ)ファイルの種類・・・・・初期値のまま(CSVファイル(*.CSV) )
6.「テキストデータ出力」画面に戻りますので、画面下部の[開始]をクリックします。
7.出力が完了した旨のメッセージが表示されますので、[OK]をクリックします。
※出力完了後は、「テキストデータ出力」は「キャンセル」をクリックして閉じてください。
8.販売王に戻り、ダイレクトメニューの「ツール」-「テキストデータ入力」を開きます。
9.「入力形式名称」に『売上伝票(消費税特例対応形式)』を指定します。
10.「入力元」で「パソコン内のファイル」を選択し、「ファイル名」右の[参照]をクリックします。
11.「ファイルを開く」画面が表示されますので、手順5で指定したデスクトップの『売上伝票.CSV』ファイルをクリックして、[開く]をクリックします。
12.「テキストデータ入力」画面に戻りますので、画面下部の[開始]をクリックします。
13.取り込み前のプレビュー画面が表示されますので、そのまま[開始]をクリックします。
※過去にテキストデータ入力を行ったことがある場合は、以下のメッセージが表示されることがありますので、[はい]をクリックします。
14.入力が完了した旨のメッセージが表示されますので、[OK]をクリックします。
15.「テキストデータ入力」画面を[キャンセル]で閉じます。
以上で売上伝票の再認識が完了します。
F.新しい「得意先締めグループ」で請求締切を行います
手順Dで随時請求から変更した新しい得意先締めグループにて、以下2種類の日付で請求締切処理を行います。
①適格請求書として明細請求書を発行したい伝票の前日
②随時請求の時に入力したすべての伝票が含まれる日付
※①以降にも伝票が入力されている場合
<操作手順>
■①の締切処理方法
1.ダイレクトメニューの「販売業務」-「請求締切」を開きます。
2.以下のように条件を指定して、[開始]をクリックします。
◇請求締めグループ:手順Aで作成した、新しい請求締めグループを指定します。
◇請求日:適格請求書として明細請求書を発行したい伝票の前日を指定します。
例:20XX/04/06の伝票から適格請求書として明細請求書を発行したい場合、「請求日」には20XX/04/05と指定します。
3.「請求締切・発行」画面に、該当する請求先が表示されますので、締め処理を行います。
(ア)「処理」欄にチェックが入っていることを確認して、右上の[締め開始]をクリックします。
(イ)印刷画面が表示されますので、「締め日処理だけ行い、印刷しない」にチェックを入れて、[開始]をクリックします。
(ウ)完了メッセージを[OK]で閉じ、「請求」欄が『済』になったことを確認します。
4.画面右上の[終了]ボタンより「請求締切」画面を閉じます。
■②の締切処理方法
※①で指定した日付以降に伝票が入力されている場合のみこちらの処理を行ってください。
上記「■①の締切処理方法」の手順をご参照ください。
なお、手順2では以下のように条件を指定して、[開始]をクリックしてください。
◇請求締めグループ:手順Aで作成した、新しい請求締めグループを指定します。
◇請求日:随時請求の時に入力したすべての伝票を含む日付を指定します。
例:①で指定した20XX/04/05以降に伝票が入力されている場合、すべての伝票を含む日付を「請求日」に指定します。
G.税計算タイミングを変更します
新しく作成した得意先締めグループの「税計算タイミング」を「締め時一括」にします。
詳しい操作手順はこちらをご参照ください。
H.請求締切を取り消します。
手順Fの②の日付で締切処理を行った場合、②の締切処理のみ取り消します。
※手順Fで①の日付でしか締切処理を行っていない場合(①で指定した日付以降に伝票が入力されていなかった場合)は本操作は行わないでください。
①の締め処理を取り消してしまうと、随時請求得意先の時に出力した請求書の金額と変わってしまいます。
<操作手順>
1.ダイレクトメニューの「販売業務」-「請求締切」を開きます。
2.以下のように条件を指定して、[開始]をクリックします。
◇請求締めグループ:手順Aで作成した、新しい請求締めグループを指定します。
◇請求日:手順F-②で指定した日付を指定します。
◇処理方法:発行済みのみを指定します。
3.「請求締切・発行」画面に、該当する請求先が表示されますので、画面左上の[全選択]ボタンをクリックします。
4.表示されているすべての請求先の「処理」欄にチェックが付きますので、画面左上の[締め取消]ボタンをクリックします。
5.以下のメッセージが表示されますので[はい]を押します。
6.完了メッセージを[OK]で閉じ、「請求」欄が『未』になったことを確認します。
以上で、手順Fで行った締め処理が取り消され、前回請求日の翌日以降(今回の例では「20XX/04/07」以降)の伝票を適格請求書として発行することが可能となります。
画面右上の[終了]ボタンより、「請求締切」画面を閉じてください。