個人事業者が決算時に行うべき、確認作業や操作方法について、下記の3つの手順でご案内します。
A.決算に関する「決算整理仕訳」を入力する
B.青色申告決算書の印刷に必要な情報を入力する
C.青色申告決算書を印刷する
<操作手順>
A.決算に関する「決算整理仕訳」を入力する
決算に関する「決算整理仕訳」を入力する際は、「9:決算取引」の区分を選択することをお勧めします。
「9:決算取引」を選択することで、日常の取引とは別に「決算整理仕訳」のみの金額集計や仕訳の検索ができ、大変便利です。
1.電気料や電話代のように、12月分の支払いが翌年1月以降になる取引について、未払いの仕訳を入力する
12月分の公共料金の支払いや、その他の経費で12月中に支払いが済んでいない取引についても、当期の経費にすることができますので、未払いの仕訳を入力しましょう。
【例】12月分の通信料85,000円が決算日現在未払いである。
(ア)「決算」→「決算整理」→「出納帳入力」を開きます。
(「日常」→「帳簿」→「出納帳入力」からも開くことができます)
(イ)出納帳の種類を「経費帳」に(下図:a)、勘定科目を「通信費」に設定します(下図:b)。
(ウ)取引を「9:決算取引」にし、相手科目に「未払金」を選択、「経費金額」に12月分の通信費を下の画面のように入力します。
2.農産物や農産物以外の在庫があれば、棚卸の仕訳を作成する
前年度末や今年度末に農産物や材料の在庫がある場合は、棚卸資産の仕訳を作成しましょう。
処理方法には、「簡易な棚卸表で入力する(簡易形式)」と「詳細な棚卸表で入力する(従来形式)」の2通りありますが、ここでは前者の「簡易な棚卸表で入力する(簡易形式)」の処理方法について説明します。
※「簡易な棚卸表で入力する(簡易形式)」は、登録できる品目件数に制限があります。
登録したい品目数が下の登録制限数よりも多い場合は「詳細な棚卸表で入力する(従来形式)」をご利用ください。
「農産物」タブ・・・田畑:6件、果樹:3件、特殊施設:3件、畜産その他:3件
「農産物以外」タブ・・・未収穫農産物:5件、販売用動物:5件、飼料・肥料等:7件、その他:4件
(ア)「決算」→「自動仕訳」→「棚卸仕訳作成」を開きます。
(「資産台帳」→「棚卸資産」からも開くことができます)
(イ)「簡易な棚卸表で入力する(簡易形式)」を選択し、「農産物」タブをクリックします。
※今まで「詳細な棚卸表で入力する(従来形式)」をご利用で、「簡易な棚卸表で入力する(簡易形式)」に変更する場合は、念のために「データ保存(バックアップ)」を取ってから変更してください。
(ウ)作物等の名称、農産物の期首棚卸高、販売金額、家事消費金額、事業消費金額、農産物の期末棚卸高を入力します。
(エ)続いて「農産物以外」タブをクリックし、農産物以外の棚卸資産も同様に処理を行います。
(オ)「仕訳作成の科目設定をする」にチェックマークを付けて科目設定画面を表示し、「農産物」「農産物以外」タブともに、棚卸資産ごとの勘定科目を設定します。
※補助科目・部門が設定されている勘定科目は、補助科目・部門も指定してください。
(カ)設定後、画面右上の[仕訳作成]ボタンをクリックします。
(キ)仕訳を作成したい転送対象にチェックマークを付けて、画面右側の[作成開始]ボタンをクリックします。
(ク)確認メッセージが表示されたら仕訳作成は完了です。
[OK]ボタンをクリックすると「収入金額の内訳・棚卸表」に戻ります。
(ケ)自動作成された仕訳には棚(、
)のマークが表示されます。
※「棚卸資産」について詳しくは、「棚卸資産の利用方法」のQ&Aをご参照ください。
3.事業で所有している資産については、減価償却費の仕訳を作成する
「資産台帳」→「減価償却資産登録」に登録されている固定資産については、減価償却費の仕訳を転送しましょう。
(ア)「決算」→「自動仕訳」→「減価償却費仕訳作成」を開きます。
(「資産台帳」→「減価償却費仕訳作成」からも開くことができます)
(イ)画面右上の「仕訳作成」ボタンをクリックします。
(ウ)画面上側の「仕訳作成」タブをクリックし、仕訳の作成対象を選択します。
作成方法方法(年間合計を作成する)、償却費計上方法(直接法)、作成対象(減価償却費の仕訳を作成する、一括償却資産の仕訳を作成する、減価償却費)などを指定します。
(エ)画面上側の「勘定科目設定」タブをクリックし、仕訳に使われる勘定科目を確認します。
補助科目が設定されている勘定科目については、補助科目も選択します。
(オ)画面下側の[作成開始]ボタンをクリックすると、自動仕訳が作成されます。
作成された仕訳にはトラック()のマークが表示されます。
※減価償却費仕訳作成について詳しくは、「減価償却費仕訳作成の方法」のQ&Aをご参照ください。
4.事業で所有している育成資産については、育成費用の仕訳を転送する
「資産台帳」→「育成資産管理」に登録されている育成資産については、育成費用の仕訳を作成しましょう。
(ア)「決算」→「自動仕訳」→「育成費用仕訳作成」を開きます。
(「資産台帳」→「育成費用仕訳作成」からも開くことができます)
(イ)画面右上の[仕訳作成]ボタンをクリックします。
(ウ)仕訳作成する育成資産種別を選択します。種別ごとに作成する仕訳の科目を設定してください。
(エ)画面右側の[作成開始]ボタンをクリックすると、仕訳が帳簿に自動作成されます。
転送された仕訳には牛()のマークが表示されます。
※育成費用仕訳転送について詳しくは、「育成費用仕訳作成の方法」のQ&Aをご参照ください。
5.事業分の経費の中に家計分が含まれている場合は、家計分を差し引く仕訳を作成する
事業の経費の中には家計分の支出を含むことはできません。
含まれている場合は、家計分を差し引く仕訳を作成しましょう。
【例】通信費の期末残高(212,100円)の内、50%が家計で使用した通信費の場合
(ア)「決算」→「家事関連費計算表」を開きます。
(イ)「通信費」科目をクリックし(下図:a)、画面上側の[修正]ボタンをクリックします(下図:b)。
(ウ)家計で使用した割合、または金額を設定します(下図:c)。
また、「仕訳転送時の相手方(借方)科目」が「事業主貸」となっていることを確認し(下図:d)、画面上側の[登録]ボタンをクリックします(下図:e)。
(エ)画面上側の[仕訳]ボタンをクリックすると、仕訳が帳簿に自動作成されます。
自動作成された仕訳には家()のマークが表示されます。
部門設定をしている場合は、自動作成された仕訳において該当する部門を選択してください(下図:f)。
6.消費税納税額を計算し、仕訳を入力する
消費税の課税事業者の場合は、納める消費税額を計算し、仕訳を入力しましょう。
(ア)「申告」→「消費税」→「消費税申告書作成」を開きます。
(イ)集計期間に「1~12」を入力し、画面下側の[集計開始]ボタンをクリックします。
(ウ)「消費税申告書設定」が表示されますので、画面下側の[設定]ボタンをクリックします。
(エ)消費税申告書が表示されますので、26欄「消費税及び地方消費税の合計」の金額を確認し、メモに控えます。
(オ)画面上側の[終了]ボタンをクリックし、「集計分析」→「集計」→「合計残高試算表」を開きます。
(カ)集計範囲をドラックして「1~決」を選択します。
(キ)「仮払消費税」「仮受消費税」の残高を確認し、メモに控えます。
(ク)「決算」→「決算整理」→「振替伝票」(または「日常」→「帳簿」→「振替伝票入力」)を開き、「決算取引」にチェックマークを付けます。
消費税の仕訳を入力後、画面上側の[登録]ボタンをクリックして伝票を登録します。
このとき、勘定科目左の「税(消費税区分)」はすべて「0 不課税(空欄)」を選択します。
※税込経理の場合は、「(借方)租税公課/(貸方)未払金」の仕訳を入力します。
(ケ)「集計分析」→「集計」→「合計残高試算表」を開き、集計範囲をドラッグして「1~決」を選択します。
「仮払消費税」「仮受消費税」の残高が0円になっていることを確認してください。
B.青色申告決算書の印刷に必要な情報を入力する
青色申告決算書の印刷に必要な情報を入力します。
1.「申告」→「決算書」→「青色申告決算書入力(農業用)」を開きます。
2.「住所氏名等」「収入金額の内訳・雑収入・専従者給与」「農産物以外の棚卸高の内訳」「雇人費」「地代・利子割引料」「税理士等・貸倒引当金」「本年中における特殊事情」の各タブの画面で、それぞれ必要事項を入力します。
※青色申告決算書入力(農業用)について詳しくは、「農業用青色申告決算書に印刷する項目の入力方法」のQ&Aをご参照ください。
3.農業以外の事業収入がある場合は、「申告」→「決算書」→「青色申告決算書入力(一般用)」や、「申告」→「決算書」→「青色申告決算書入力(不動産用)」の画面でも入力をおこなってください。
※青色申告決算書入力(一般用)について詳しくは、「一般用青色申告決算書に印刷する項目の入力方法」のQ&Aをご参照ください。
※青色申告決算書入力(不動産用)について詳しくは、「不動産用青色申告決算書に印刷する項目の入力方法」のQ&Aをご参照ください。
C.青色申告決算書を印刷する
青色申告決算書の印刷に必要な情報を入力したら、青色申告決算書を印刷します。
1.「申告」→「決算書」→「青色申告決算書印刷」を開きます。
2.画面上側の対象決算書で「農業用青色申告決算書」を選択し(下図:a)、画面右側の[書式設定]ボタンをクリックします(下図:b)。
3.「帳票タイプ」を下記の中から選択し(下図:c)、[設定]ボタンをクリックします(下図:d)。
(ア)「A4よこ帳票(農業所得用)」・・・白紙用紙に印刷し、合計残高試算表の金額が青色申告決算書に反映されているか、また印刷位置にズレが無いかを確認する場合はこちらを選びます。
(イ)「OCR用紙(農業所得用)」・・・税務署提出用の用紙に印刷する場合は、こちらを選びます。
(ウ)「A4よこ帳票(農業所得用)モノクロ」・・・白紙用紙に印刷したものを税務署に提出する場合は、こちらを選びます。
4.画面右側の[プレビュー]ボタンにて印刷イメージを確認後、印刷を実行してください。