「基盤強化準備金制度」とは、青色申告を行なう認定農業者が、受け取った交付金等を、農用地や農業機械等を購入するために積み立てた場合に、必要経費に算入できる制度です。
また、積み立てた準備金で農用地や農業機械等を購入した場合は圧縮記帳することができます。
一般的には、下の仕訳を起こします。
上記の勘定科目がない場合は、勘定科目の作成が必要です。
※勘定科目の作成や、仕訳の入力を行なう前に、上記の仕訳で良いかどうかを所轄の税務署にご確認ください。
異なる場合は、どの分類のどの勘定科目を使用して仕訳を行なうのかについても所轄の税務署の指示を仰いでください。
<操作手順>
A.青色申告科目の追加作成
青色申告決算書に「基盤強化準備金」「基盤強化準備金繰入」「基盤強化準備金取崩」の科目名を表示させたい場合に行なう操作です(例として「基盤強化準備金取崩」を作成する手順をご説明します)。
1.「初期」→「詳細」→「青色申告科目設定」を開きます。
138 または 139 の空欄行を選択し、[修正]ボタンをクリックします。
2.「基盤強化準備金取崩」と入力し[設定]ボタンをクリックします。
3. このように登録されたら完了です。
上記の要領で、「基盤強化準備金」「基盤強化準備金繰入」も作成します。
登録するコードによって青色申告決算書への印刷位置が異なりますので間違いのないようにしてください。
B.勘定科目の追加作成
帳簿を入力するための勘定科目を作成する方法です。
例として「基盤強化準備金取崩」を作成する手順をご説明します。
1.「初期」→「基本」→「勘定科目設定」を開きます。
2.画面左上の〔補助同時表示〕〔期首残高入力〕のチェックを外します。
3.画面左上〔分類〕の[▼]をクリックし、「引当金準備金」にします。
4.【繰戻額等】の下にある科目名(例では「貸倒引当金戻入額」)を選択し、[挿入]ボタンをクリックします。
5.空欄行が1行追加されますので、任意のコードと勘定科目名などを入力します。
「農業用申告科目」の欄は、前途「A.青色申告科目の追加作成」で作成した「基盤強化準備金取崩」を選択します。
上記の要領で、「基盤強化準備金」「基盤強化準備金繰入」も作成します。
各科目によって、作成する場所(分類)が異なりますので間違いのないようにしてください。
※勘定科目設定では、「簡略名称」が5文字までしか入力できません。
帳簿入力の画面では簡略名称が表示されるようになっていますので、簡略名称でどの科目かを判断できるように変更しておいてください。
例:簡略名称が「基盤強化準」と初期表示されますが、「取崩」なのか「繰入」なのか判断できないので、「準備金取崩」と変更する場合
C.仕訳の入力
前途の要領で勘定科目を作成したら、以下のように仕訳を入力します。
<基盤強化準備金の積立をした場合>
例:受け取った補助金のうち、20万円を基盤強化準備金として積み立てた。
<積み立てた準備金で資産(車両)を購入した場合>
例:100万円の車両のうち70万円は、積み立てた基盤強化準備金から支払った。
前途の通りのコードで各科目を作成し、上記の仕訳を入力した場合は、青色申告決算書には以下のように印刷されます。
※上記の印刷位置はあくまでも一般例です。所轄の税務署にご確認いただきました結果、別の分類(別の場所)に科目を作成するよう指示を受けた場合は、所轄の税務署の指示に従ってください。
※積み立てた基盤強化準備金を使用して購入した資産は、一般的に「圧縮記帳」を行います。
圧縮記帳については、「減価償却資産の圧縮記帳を行う場合」のQ&A(「管理」のカテゴリ)をご参照ください。